この人だから頼む(2026年_1月号)

川上鉄工所メルマガ_2026年_1月号

はじめに

いつも大変お世話になっております。
株式会社川上鉄工所の川上朋弘です。

12月のメルマガへのご返信、
いつもありがとうございます。

新年早々、いくつかのお客様を
訪問させていただきました。

「この人だから頼む」という関係性

あるお客様がこう話してくれました。

「川上さんは、おそらく自分たちが
思っている以上の技術を持たれている」

嬉しい言葉でした。

同時に、新年のご挨拶を重ねる中で、
改めて感じたことがあります。

それは、「企業に頼む」前に
「この人だから頼む」という関係性がある
ということです。

新規のお客様との出会いは「人」から始まります。

仕入先様から紹介していただいた。
展示会に何度も通い、ようやくお会いできた。
試験センターでよく会う人に話しかけた。

やがて会社とのお取引になり、
年数を重ねるうちに、再び「人」との
関係が深まっていく。

属人化をめぐる葛藤

ただ、正直に言えばこれまで私は
「人に仕事がつく」ことを、
問題だと思っていました。

窓口の対応が熟練してくれば、
お客様への回答スピードは上がります。

一方で、その人が不在になったとき、
誰も対応できなくなるリスクも生まれます。

属人化を解消しなければ。
仕組みを作らなければ。
ルールを整備しなければ。

そう考えていました。

個人の信頼だけに頼れば、組織として脆くなり、
組織の仕組みだけに頼れば、人としての繋がりが薄れる。

司馬遼太郎の言葉と、気づき

最近読んだ司馬遼太郎『峠』(新潮社)に、
こんな一節がありました。

「なにごとかをするということは、結局はなにかに害を与えるということだ」

この言葉が、今の自分に重なりました。

新年のご挨拶を終えて、改めて思いました。

お客様から「この人だから頼む」と
言っていただけることは、
長い年月をかけて築いてきた信頼の証です。

この関係性は、どんな仕組みやルールでも
代替できないものかもしれません。

それを、「属人化だ」「問題だ」と
切り捨てていいのだろうか。

もちろん、組織としての仕組みは必要です。

司馬遼太郎『峠』(新潮社)には

「社会というのはいきもので、それをいかぢめているものは、制度、法律、習慣、道徳である」

とあります。

ただ、その仕組みを作ろうとすることで、
個人の信頼関係に害を与えてしまう
こともあります。

最近、こう考えるようになりました。

個人の信頼と、組織の仕組み。
どちらが正しいかではなく、
どちらも必要なのだと。

人としての魅力か、組織の姿勢や仕組みか。
どちらか一方ではなく、両方が必要なのだと。

「なにごとかをするということは、結局はなにかに害を与える」

その葛藤を抱えながら、
その時々で、何を優先すべきかを判断していく。

正しい選択ではなく、
選択した後のリカバリーを早く行うこと。

そう思うようになりました。

おわりに

皆様は、個人の信頼と組織の仕組み、
どのようにバランスを取っていらっしゃいますか。

もしよろしければ、
皆様のお考えもお聞かせいただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

川上鉄工所の93年の歴史と取り組みについては、会社概要をご覧ください。

川上朋弘のプロフィール画像

記事を書いた人:川上 朋弘

(株)川上鉄工所 代表取締役

2007年(株)川上鉄工所入社、2022年代表取締役就任。
金型設計の奥深さに魅せられ、鍛造現場の職人たちの 卓越した技術に感銘を受ける。
「アイディアを形にする鍛造の魅力」をより多くの人に伝えたいという想いから、情報発信を続けている。

保有資格:1級一般熱処理技能士