営業職としての失敗経験とそこから学んだこと-お客様の視点に立った提案と信頼が重要

川上朋弘です。住宅メーカーで住宅営業に従事した後に、2007年に川上鉄工所に入社しました。前職も入社後も営業職です。世間で、営業職は「ノルマがきつそう…」などのイメージがあり、敬遠する人も多いように思います。

自分自身は、営業という仕事は、単なる押し売りではなく、自分の取り扱う商品やサービスに誇りを持ち、それを世の中に広める仕事なのだ、と考えています。

営業に従事する中で、実際には今だから話せる失敗も数多くありました。自分の失敗経験を知っていただくことで何か参考になればと思い、まとめてみました。

 

1.営業職としての失敗経験

私は、2005年に大学を卒業して住宅メーカーに就職しました。もともとは設計の仕事に興味があったのですが、建築学科を卒業していなかったため、要件を満たさず、総合職として入社することになりました。

当時の上司は過度に、契約金額や契約本数を追うのではなく、3か月に1件、確実に安定的に契約を取り続ける営業スタイルの方でした。仕事においては、一時の営業成績よりも、継続性や安定性がより重要だと、合理的に判断されていたのだと思います。上司は「もっとがんばればできるのに、自分の力をセーブしている」と周りから見られていたようにも思います。

住宅の営業職は売れれば、会社から大事にしてもらえますし、給料も多くなります。一方、売れなければ、休日返上で夜遅くまでアポ取りをするのが当たり前。また、売れなければ厳しい叱責を受ける世界でもありました。

自分の時間も確保したかった私にとって、上司の安定的で、継続的な営業スタイルは憧れでした。何とか真似しようと努力してみたものの、表面的にやり方を模倣してもなかなかうまくいきませんでした。(真似した中で唯一、今でも続けていることがトイレ掃除です。当時はトイレ掃除をすれば売れる!と誤解し本質を見誤っていました。)

なぜ、表面的にやり方を模倣するだけでは、うまくいかなかったのかを考えると、当時の私に不足していたのは、以下の2点ではないかと考えています。

(1)社会人としての基本行動による信頼関係

入社当時の私は、自己管理が甘い状態でした。夜の21時過ぎまでアポなしで訪問する、時間を守れず遅刻する、お客様にお借りした資料を紛失してしまうなど、基本的なミスを繰り返していました。交通ルールを守らなかったこともあり、多くの失敗を経験しました。

(2)顧客ニーズを理解した上での顧客目線での提案

また、会社が用意した資料をそのまま使うのではなく、自分自身で作成した資料でお客さんに説明するように心がけていましたが、その内容が顧客ニーズに合致していませんでした。ただ、自分の好きなものを、自分の好きなように説明する資料作りになっていました。その結果として、資料作りに注力しても、それが見込み客の発掘や維持につながりませんでした。

2.営業職として大事なことは

住宅メーカーを退職し、川上鉄工所に入社した後も同様の事がありました。例えば、「機械要素技術展」という展示会に3年連続で出展した時のことです。

私は、展示ブースに並べたい製品だけを並べ、運よく足を止めてくれた人と話をするというやり方を取っていました。当日の晩にブース訪問のお礼状をメールで送り、その後、日を改めて訪問するというフォローアップを行いました。

ただ、この方法では、受注確率は低かったです。見積依頼がなければ、そのまま、その後の接点が途絶えてしまうことが多かったのです。

(1)お客様の事情やニーズに合わせた提案をすることの重要性

この経験を通じて学んだことは、お客様の事情やニーズに合わせた提案をすることの重要性です。また、法人営業においては、特に調達や資材といった部門に弊社のことを知ってもらうことが重要だと気づきました。

そのためには、ただ製品やサービスを売り込むだけでなく、お客様の立場や業務内容を理解し、それに見合った提案を行うことが求められます。単なる製品のスペックを説明するだけではなく、どのようにしてその製品がお客様の課題を解決できるのかを具体的に示すことが必要だと考えます。

(2)お客様との信頼関係を築くことが最優先

また、営業は、お客様との信頼関係を築くことが最優先です。そのためには、自社製品についての知識を深めることが何よりも大切です。営業の基本として「知識は礼儀」だという前職での教えを深く胸に刻んでいます。

お客様との信頼関係を築くためには、お客様が何に不安や不満を感じているのかについても、しっかり理解する必要があります。

契約が取れなかった頃の自分をふり返ると、今すぐにでも契約を取りたいという焦りから、自分本位の営業をしてしまっていました。お客様への感謝の気持ちを忘れていたように思います。

営業での数々の失敗経験を経て、感謝の大切さや、自分本位ではなくお客様本位で考えることの重要性に気づけるようになりました。経験から学びを得て、自分の考え方が変わったことで、次第に営業職として自信を持って仕事ができるようになりました。

3.営業の成功の鍵は

営業とは、人に会い、その人と信頼関係を築くこと。そのためには、自分が売り込む商品やサービスに対する誇りを持つこと。そして、それを必要としている人に、どのように届けるかという工夫すること。ふり返ってみて、そう思います。それに、私は決して営業が『好き』ではありません。が、営業は『得意』なんだと思います。営業が得意だからこそ、成果もあがりやすく、嫌なことがあっても、これまで続けてこれた様に思います。(得意かどうかは私の判断ではなく、お会いする方によく言われるので、私自身がそう思い込んでいるだけなんですが)

つまり、営業の成功の鍵は、その商品やサービスに対する深い理解と、それを顧客に適切に伝えることにあると考えます。それは、家を売るにしても、車を売るにしても、保険を売るにしても変わりません。

営業は単なる売上を追求するだけでなく、人と人との繋がりを大切にし、その関係を通じて社会に貢献する仕事です。私はこれからも、営業という職業に誇りを持ち続け、常にお客様の視点に立った提案を行いながら、信頼される営業マンであり続けたいと考えています。

※川上鉄工所は、フリー鍛造、型鍛造を行っている会社です。川上鉄工所へのお問い合わせは以下の問合せフォームからお願いいたします。御社の課題をお聞きして、しっかりお役に立てるようにご提案させていただきます。

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