視点をどこに置くか(2025年_5月号)

川上鉄工所メルマガ_2025年_5月号

いつも大変お世話になっております。
株式会社川上鉄工所の川上朋弘です。

このメールはお世話になっている方々に
近況報告をお送りするメールです。

4月にお送りしたメルマガに関して
ご返信をいただきました。

「貴社が難題に挑戦し、少しずつ前に進んでいく姿勢に感銘を受けました」

「目的をもった挑戦は、燃え上がるような意思と、実は静かにそれでいて、
純粋に強い意志を持ち続けることだと感じました」

いつもご返信いただき、ありがとうございます。
人を通じて、自分の想いを形にできるよう努めて参ります。

先日、先輩経営者の会社を訪問する機会がありました。
工場見学をしながら様々な話を伺っていたのですが、
帰り際にかけられた一言が、妙に心に残りました。

「会社が続けていけるのは、経営者の資質というより
現場がいいものを造っているかどうか、だよ」

その場では単純に「なるほど、その通りだ」と思ったのですが
そもそも、”いいもの”って何なのだろう?

社員一同、いいものを造ろうという想いは同じはずなのに
“いいもの”の定義が立場や状況によって変わってしまう

よく考えてみれば、私たちは日々の判断を
自分の基準を無意識に優先しているのではないか。
何が便利で、何が効率的で、何が正しくて、何に利があって-
すべて自分を中心に考えがちになっていないか。

事業を継続する上で、「自分だけが満足している」状態は、
物事がうまく回らないことが多い。

例えば社内では、「自部門さえ回ればいい」という考えでは、
別の部署にしわ寄せが出て、全体が滞ってしまいます。

社外に目を向けても同じです。お客様・仕入先・協力先の
誰か一人でも無理をしていれば、その関係は長く続きません。

無理な要求を説得できたとしても、納得できないのであれば
長い目で見れば誰も幸せになれない。

そう考えると、「視点をどこに置くか」はすごく大事だと実感します。

自分がやりたいこと、自分の部署の効率、自分の正しさ
そこから一歩引いて、

・お客様にとっての価値とは何か?
・協力会社の人たちにとってどう見えているか?
・社内全体の流れとして整っているか?

そんな視点に立てたときに、初めて「響く成果」に
近づけるのかもしれません。

例えば、お客様との打ち合わせで、
「自社の強み」をアピールするだけでなく、
「お客様の課題」を起点に考えると、
会話の中身が変わることがあります。

相手の立場になって考えることで、
思いもよらない解決策が生まれることもあります。

目線を少しだけ変えることで、見えてくる目標も変わってくる。
そんな予感がしています。

まだ答えが出ているわけではありませんが、
今は、「どうすれば”響く成果”を出せるか?」という問いを、
もう一度、自分自身にも、会社にも
投げかけてみたいと思います。

あまり馴染みがないかもしれませんが
事例紹介にチタンが錆びる原因について
詳細を書かせていただきました。

チタンが錆びる原因と科学的メカニズム

よろしければ、ご覧ください。

川上朋弘のプロフィール画像

記事を書いた人:川上 朋弘

(株)川上鉄工所 代表取締役

2007年(株)川上鉄工所入社、2022年代表取締役就任。
金型設計の奥深さに魅せられ、鍛造現場の職人たちの卓越した技術に感銘を受ける。
「アイディアを形にする鍛造の魅力」をより多くの人に伝えたいという想いから、情報発信を続けている。

保有資格:1級一般熱処理技能士