ピンチはチャンス(2024年_8月号)

川上鉄工所メルマガ_2024年_8月号

いつもお世話になっております。
川上鉄工所の川上朋弘です。

日頃お世話になっている方々に近況報告の
趣旨でメールをさせていただいています。

先日、会社のホームページに、自社の90年
の変遷についてまとめた記事を書きました。

記事を書いてみて気づいたことがあります。
それは、ピンチとチャンスは一つの事象の
両面かもしれないということです。

例えば、私が川上鉄工所に入社した2年後に
リーマンショックがありました。

急激な円高に伴い、国内のカーメーカーが
相次いで海外進出を進め、その結果、
当社への発注は激減しました。

その前年に新たに金型製作工場を新設したばかりの
川上鉄工所にとって、受注量の激減は大打撃でした。

一方で、自動車部品の受注減少によって、
農業機械、建設機械、工作機械、産業機械、
工具などの受注を積極的に進めることにつながり、

自動車業界への売上依存を減少させることにも
つながりました。

もっと遡ると、バブル崩壊のときも同様の
ことがありました。

当時の川上鉄工所は、売上の70%をある自動車
メーカーに依存していました。

バブル崩壊後のその自動車メーカーの業績不振に
大きく左右される状況でした。

その苦境を打開しようと販路開拓を進めた結果、
新規のお客様との取引につながりました。
一つの出来事がマイナスに見えたとしても
その出来事に対応しようとする新たな取り組みの結果
会社はその都度、進化してきたように思います。

バブル崩壊やリーマンショックでは痛手を
受けましたが、その状況を打破するための
取り組みが次につながっていきました。

だから、ひょっとしたら、
ピンチは次のチャンスなのかもしれません。

最近、伸ばそうと注力している分野は、
ステンレスの鍛造やチタンの鍛造などです。

特にチタンは、軽くて強く、錆びない等の性質が
注目され、航空機部品や眼鏡、ゴルフクラブ等
に活用されている素材です。

また、アレルギーがほとんどなく、弾力性があり、
しなやかなどの特徴から、人工骨、人工関節、
人工歯根等の医療材料にも活用されています。

川上鉄工所でも、医療用途でのチタンの鍛造を
させていただいています。

また、チタンを鍛造で板材にするというご依頼
にも対応させていただいています。

こうした新たな素材への取り組みなどは試行錯誤の
部分も多く、製造現場に負荷を与える部分はありますが、

多品種少量生産に移行しつつある川上鉄工所に
とって、必要不可欠な取り組みであると考え、
取り組んでいるところです。

物事がうまくいっているときって、なかなか
次の新たなチャレンジがしづらいものです。

ピンチは次の新たなチャレンジをさせてくれる
チャンスなのかもしれません。

常にそんな危機感を持って仕事に向き合って
いきたいと考えています。
最後までお読みいただきまして、ありがとう
ございました。

会社の90年の変遷の件、よかったら
読んで感想をお聞かせいただけると嬉しいです。

※「ある鍛造会社の創業からこれまでの90年の変遷

また、メールさせていただきます。