鍛造の会社が「ものづくりワールド」(九州)への出展で学んだことは?
はじめまして!
川上鉄工所の川上尚史と申します。川上鉄工所では営業を担当しています。
川上鉄工所では今回「ものづくりワールド」(九州)と呼ばれる製造業向けの展示会に初めて出展しました。今回、「ものづくりワールド」(九州)に出展してみて、感じたことなどをまとめてみました。
Contents
1.「ものづくりワールド」(九州)への出展経緯
川上鉄工所はこれまで、年に一度、県内の展示会に出展してきました。「OTEXおかやまテクノロジー展」という展示会です。「OTEXおかやまテクノロジー展」への来場者は、地元企業の方が大半で、県外からの来場者は少ない状況です。
せっかく展示会に出展するのであれば、もっと多くの企業様と接点を持てる方法はないだろうか?
そう考えて、広域から来場者が参加する、規模の大きい展示会に出展することにしました。今回、出展した展示会は第3回「ものづくりワールド」(九州)です。
「ものづくりワールド」(九州)の開催結果は こちらからご覧いただけます
・展示会名:第2回 ものづくりワールド(九州) ・会期:2024年12月11日(水)~13日(金) 10:00~17:00 ・会場:マリンメッセ福岡 |
川上鉄工所は、熱間鍛造品を製造する会社です。
ただ、これまでの出展経験から、漠然と「熱間鍛造品」のPRをするのでは、競合他社との差が見込めないだろうと感じました。そこで、「材料調達でお客様のお困り事を解決する」を出展コンセプトに決めました。
切り口を変える事で、鍛造屋の無限の可能性をアピールしたいと考えたからです。
2.材料調達でお客様のお困り事を解決する
出展コンセプトを「材料調達でお客様のお困り事を解決する」にした理由は、あるお客様からのご依頼がきっかけでした。そのお客様は、材料調達に課題を抱えておられ、川上鉄工所に鍛造を依頼されました。
同じようなお悩みを抱えている会社様が他にもおられるのではないだろうか?
同じようなお悩みを抱えているお客様へ事例をご紹介することで興味を持っていただき、それが鍛造という工法を知るきっかけになっていただければ・・・。そのような狙いでした。
今回の展示会出展については、もう一つ、狙いがありました。
それは、社内の営業活動への興味の薄さを何とかしたいというものです。展示会出展について、一部の人しか知らない状況であるのは、社内の情報共有という観点から、あまりよくないことなのでは?と思いました。もっと社内に取り組みを周知して、関心を持ってもらいたいと考えたのです。
そこで、展示会出展の内容や出展する狙い等について、社員掲示板へ掲示することにしました。情報共有することで、展示会出展についての認識を浸透させ、かつ、自ら出展について携わりたいという社員が出てくれば・・・という願望も込めての情報共有でした。
また、展示会の出展物や展示品について社員の意見を集めるべく、空いている部屋に実際の展示物を本番と同様に展示することもしました。これは、意見や「ダメ出し」を大いに期待してのお披露目でした。
ただ、展示物を見て、意見や感想を言ってくれた社員は誰もいませんでした。お披露目する時間帯を決めず部屋を解放していただけなので、見に来てくれた社員がいたかどうかもわかりませんし、社員の方も意見も言いにくかったのだろうと思います。この辺りについては、次回、お披露目の仕方を改善しようと思います。
そして、いよいよ現地入り!
3.初の「ものづくりワールド」(九州)出展-集客努力不足でした
出展準備と、飛び交うであろう「お困り事」に期待を胸にいざ戦場へ。
会期の前日、会場へ入ると既に多くの出展者が準備に追われており、大きな機材を運び込んでの準備が進んでいました。そして、川上鉄工所のブースにたどり着くと、第一印象として、「暗い」感じのするブース。しかも、立地も会場中央よりも外れた位置でした・・・。
気を取り直し、ポスターの配置場所、展示物の置き方・並べ方、動画用モニター位置等その場の雰囲気に合わせてセッティング。
そして翌日の会期初日。試合のゴングが鳴り、来場者が続々と会場入りしてこられました。事前にアナウンスしていた甲斐あってか、取引先様がブースへ寄っていただいたり「鍛造」に興味のある方の訪問があったり・・・と初日は、まだ水曜日なのでこんなものかな?と思い、2日目に突入!
前日は、水曜日だから、来場者が少ないのかと思っていたのですが、2日目も3日目も来場者の流れは初日とあまり変わらない感じでした。
ただ、他社のブースを見ると、人だかりしていて、雰囲気が非常に明るい出展社も見られました。
川上鉄工所は、集客努力が不足していたと認めざるを得ませんでした。
4.初の「ものづくりワールド」(九州)出展で学んだこと
今回出展した「ものづくりワールド」(九州)の会場は、A展示場とB展示場に分かれていました。
A展示場は、機械要素技術展(主に切削加工や設備、熱処理)の展示場でした。
B展示場は、次世代3Dプリンター展(主に製造業DXやAI等)といったシステム系の展示場となっていました。
今回、川上鉄工所が出展したのは、A展示場の方です。A展示場とB展示場を比較すると、圧倒的にB展示場の方が活気や盛上りや集客の点で勝っているように感じました。時流のテーマであるため、来場者の関心が高かったのかもしれません。
A展示場でも、人だかりして賑わっているブースも見られました。人だかりしていて賑わっているブースを見ていて、次の2つの共通点があることに気づきました。
それは、「照明の明るさ」と、ブースで待ち構える「スタッフの多さ」です。
(1)照明の明るさ
照明が明るいことは、来場者の目を引くことにつながります。展示会出展において、照明が重要であることは、事後にいろいろ情報を調べてみて、よくわかりました。
例えば、コンビニやお店のディスプレイが照明で明るいのもお客様の目を引いて、注意を惹きつけるためのようです。次回以降、展示会出展では、会場の照明を事前に確認して、ブースの照明を考えるべきだと感じました。
(2)スタッフの多さ
人だかりして賑わっているブースの特徴として、スタッフ数が多いことも印象的でした。
これについては、スタッフが多いから集客できているのか、集客に力を入れている会社だから、スタッフ数も多くしているのかまではわかりませんが、川上鉄工所としても次回以降、事前集客にさらに注力し、将来的にはスタッフ数も増やしていきたいと思いました。
5.「ものづくりワールド」(九州)出展からの学びを次へ
今回の「ものづくりワールド」(九州)の会期3日間の総来場者数は、10,404人でした。
2024年11月に出展した岡山県での「OTEXおかやまテクノロジー展」は、2日間の来場者数が12,580人でしたので、予想していたよりも来場者が少ないという感覚は合っていたことになります。
とは言え、ふだん接点を持てない遠方の会社様と接点をいただけたことは有意義でした。
今回の試合結果を踏まえ、「お困り事に悩んでいるお客様」や「鍛造に興味がある皆様」へ多数お会いできる機会を得るために、今後も試行錯誤しながら展示会出展を「継続」する考えです。
この度、川上鉄工所のブースへお立ち寄りいただきました全ての皆さまに感謝申し上げます。
ありがとうございました。
(株式会社川上鉄工所 常務取締役 川上尚史)